別れの季節

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出合いが有れば必ず別れが有るのは世の習いであります。

秋に入って藤袴が開花の時期を迎えると同時に、殆ど毎日のように二羽、三羽と姿を見せていた浅葱斑(アサギマダラ)でありますが、愈々別れの季節が近づいて参りました。

我が家の藤袴の花もいつか満開の時期が過ぎて、少しづつ色あせて来ました、浅葱斑はわれわれ人間には嗅ぎ分ける事の出来ない、藤袴の花の独特の香りに誘われて、この花の蜜を求めて飛来をして来る事は、先ず間違いないものと思われます。

今日も残り少なくなった花の香りに誘われて、僅かに残っているであろう花の蜜を求めて、一羽、また二羽、時には花に留まりまた飛び立ち、また留まりしながら一時を過ごして飛び去ってゆきました。

本当に名残惜しい季節で有りますが、浅葱斑は旅する蝶と言われます、今日訪れたこの蝶達の遠い旅の果ては何処なのでありましょうか、日本で印を付けられた蝶が遠くは台湾で見付けられた事も有ると聞きます。

日々我が家の藤袴を訪れてくれた数々の蝶達の長い旅が、無事で目的地に着き子孫を残し、その子達がまた来年も我が家の藤袴を見つけてくれるように、大切に藤袴を管理して行きたいものと思っております。

 

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透き通るような秋の一日の青空になお、輝いて見える我が菜園の片隅に咲き続ける、八重咲きの「酔芙蓉」であります。

秋口から毎日のように白く咲いては赤く萎んで、晴れの日も雨の日も風の日も、私の目と心を癒し続けてくれた数々の花達も愈々お別れの季節が到来のようです。

沢山付けていた蕾の数も日を追って少なくなって参りました。後幾日咲くのでしょうか、やがて秋が深まり寒い北風が吹き霜が降りる頃には葉を落とし、根っこだけで越冬してまた来年の春に芽吹きます。

誠に寂しき限りなんですが、この酔芙蓉の花達とも暫しの別れの時も間もなくです。

別れ有れば再度の出会いが有ります、年々と年老いては来ますこの老人も、身体を労わりつつ出会いの時を待つ事にしましょうぞ。